昨年、宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が話題となりました。ロシアとウクライナの戦争やイスラエルとパレスチナの戦争の終結のめどが立たない中、また、国内では能登半島地震が起きて復旧、復興がままならない中、人々はどのように生きていくのかを考えさせられる時代です。
そんな時代の中、建築に携わるわれわれはどのような思いで住宅をつくり、建物をつくっていったらいいのだろうか。
いままで人間は様々な困難を乗り越えるときに物語を作ってきました。今年のNHKの大河ドラマの源氏物語や方丈記など、もがき、苦しみ悲しみのどん底に落とされながらもそこから抜け出て希望や喜びを見出してきました。
今回のシンポジウムは、まさにこの混迷の時代に少しでも明るい希望を持てる内容にしたいと考えました。そこで、Aプロが選んだのがMARUと湯浅君です。街に社会に自然に開かれた環境を生み出し、また、共存をテーマに多様性を柔らかく包み込む空間を生み出すマルと、非常にユーモラスなデザインの中にさまざま仕掛けや多義的な要素を散りばめ未来を感じさせる湯浅君との対決、二チームの建築に取り組む姿勢や空間をつくるその突き動かす原動力を語ってもらうことは、若い人だけじゃなく多くの人に共感を得られるのではないかと考えました。
そして、ナビゲーターにプレハブ住宅の研究を中心に様々な建築に関する研究と実践を行っている谷繁玲央君を起用しました。今回のシンポジウムについて、下記彼の進行する筋書きを書いていただきました。
この正解のない不安な時代、それでも一人ひとりがそれぞれのやり方であらがい、若手四人の建築家とともに生きて希望の持てる話ができればと考えています。
Aプロジェクト 大島 滋
詳細は > こちら
今回の関西Aプロのシンポジウムは「過去・現在・未来をつなぐ建築のつくり方」 です。
建築がどのように作られるか、建築家の考える発想に対して構造家はどのように立ち向かうか。弱い建築と強い建築との違いは何か、などなど。建築家と構造家との協働の在り方について討議します。
ゲストは、若手建築家の服部大祐君と白須宏規君、そして構造家の金田充弘さんです。
服部君を選んだのは、もう彼は建築を作るのが好きで好きでたまらないというオーラが全身から飛び出しているからです。その彼の建築のスタンスは構造家との協働なんです。今年住宅建築賞を受賞した「深沢の家」もまさにウナギの寝床のような形状の敷地に、暗さや狭さを感じさせない、まさに建築と構造が一体になった住宅ですが、構造家との協働がうまくいったと語っています。
その建築家の発想に対して世界のARUPで約30年、百戦錬磨の構造家の金田さんに構造家がダイナミックな建築はどのように実現していくかを聞きだそうと思っています。
ナビは、地元出身で島用陽さんに学びこれからの関西の中心選手の白須宏規さんです。
白須さんの建築に対する思いは百科事典張りです。建築家と構造家との「協働」が持ち得る可能性についてリードしてくれると思います。
みなさんの参加をお待ちしています。
ミサワホーム Aプロジェクト室
室長 大島 滋
詳細は > こちら
2024年6月15日(土) 14:00〜