マンションの一室のリノベーションです。
このプロジェクトは再販用物件の改修で、住む人がまだ決まっていないという中でどのような性質をこの空間に与えるのが良いかを考えたプロジェクトです。
ここでは、まだ見ぬ住人の様々な要望や、持っているものに対して、なるべく寛容なものを作れないかを考え、溝がついたハードボードの垂壁と電気の拡張を考慮したメッシュラックを区画の中心に配置することで、機能的、意匠的に様々な要素を架橋するものとしています。
ハードボードは新品の素材であっても、そのテクスチャーや風合いが古いものと馴染む素材です。垂れ壁のハードボード、モルタルで補修された壁、既存の荒々しいコンクリート、既存長押と延長された新しい長押など古いものと新しいものが混ざりあっている状況は新たな要素がなじみやすいものになるのではないかと考えました。
また、垂壁の溝部分は、ロールカーテンや間仕切り壁を入れるきっかけとなり、DIYをやらないひとでも境界をつくることの想像力が持ちやすくなるようにしています。