築50年のマンションが持つnLDKの平面計画を、コロナ禍中で変容する在宅中心の生活様式へ適応させることを試みたプロジェクトである。
解体不可の耐力間仕切り壁・近所迷惑対策による工事内容制限・ローコストといったお馴染みの条件の下、設備絡みの段差の設定・適材適所の仕上げ・劣化した既存仕上げ部分への保護塗装・可動なものとしてのテキスタイルの活用など最低限の工事で、異なる領域 −半屋外的感覚になれる土間・生活の中心は食と言える程大きなカウンターキッチン・たくさんのマイメンが集っても大丈夫な広い空間・寝るときくらいは温かみのある部屋− を設えた。
それらの領域は間仕切り壁を介して付かず離れず、家内同時多発的な在宅生活の中に適度な距離感を与えてくれることを期待する。
と偉そうに綴りましたが、私はこのキッチンで昼間からヴァン・ナチュールとグラスフェッドのチーズを頂きたいと思いました。